概要
就活とSNSを題材にしつつ、人間の醜い心理を読者に突きつける小説。
賛否両論
最後にどんでん返しがある。このどんでん返しの真の恐怖は、SNSにどっぷり浸った世代でないとわからないだろうと思う。Amazonのレビューでも、人によって評価が異なるようだが、この最後の仕掛けが聞く世代かどうかが大きいように思える。
また、SNS世代であっても、「読後感が最悪」という意見もある。
個人的には、絶対に読んだほうがいい小説だと言える。
演劇
また、登場人物のうち3人が演劇部や劇団というものに深くかかわっている。
若者世代だと、演劇部の知り合いの講演に誘われたり、俳優を目指している知り合いがいたり、朝から晩まで稽古している劇団員の知り合いがいたりすることが多い。登場人物が、どこかで会った人物に重なって見えてくる。この演劇という、自意識の発露の場が、この小説の主題と完璧にマッチしているのだ。
それもあって、若者ほどこの小説には衝撃を受けるはずだ。
「【書評】何者(朝井リョウ)【38冊目】」への2件のフィードバック