【書評】毛沢東の私生活(リチスイ)【107冊目】

概要

毛沢東の死を看取り、死体の永久保存を施した主治医が22年間にわたる毛沢東との人生を暴露する。

著者は本書発売の3カ月後、遺体となって発見された。

ニセモノと思うにはリアル過ぎる。

毛沢東は確かに超人的な悪人だが、横暴で好色で不眠におびえる一人間でもあったということがよくわかる。江青や華国峰の人柄も興味深い。

また、本書は教養高い中国人が書いているために、情報の質が極めて良い。例えば、

  • 毛沢東は自分を「傘をさす和尚」と自称していたが、実はこれは「無髪無天」と同じピンインの「無法無天」という意味である。その意味は、

    「自分こそ法であり、神である」

    という意味だった。外人記者は完全にこれを文字通りに受け止め、毛沢東の孤独感として報道してしまったのだった。

  • 毛沢東が理想の君主としていたのは紂王だった。(封神演義でおなじみ、酒池肉林などで有名)

このように、毛沢東を理解するうえで、中国語や中国古典を知らないとわからないことが多いのである。

面白い。

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