【書評】物欲なき世界(菅付雅信)【34冊目】

概要

世界中で、消費文明が終わりを向かえている。物欲が無くなった世界では、何が求められるのだろうか。

これまで、消費の代表であるファッションは、服に集中していた。しかし、もう服は求められず、食品や雑貨が購買されるようになった。人々は、食品や雑貨に込められたストーリー、それらがもたらすライフスタイルの変化を期待して消費するようになったのだ。

「ライフスタイル専門誌」まで創刊され、代官山のツタヤでは売上一位を記録。人々はローカルな人間関係に回帰し、米国でも中国でも「ダウンシフト」、つまり、低消費化に向かう価値観への転換が進んでいる。

その行きつく先は、「働かずしてモノが手に入り」「ごく一握りの少数者以外は全員失業している国家」であるという。少数の労働者の上には富裕層である資本家が君臨する。富は集中する。ウォルマートを経営するウォルトン一家の総資産は15兆4000億円を超えた。その先にあるのは殆どの者にとっての、「貧しく豊かな世界」である。

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