概要
幸せはお金じゃない。結婚でもない。48歳フリーターカップルの歩んだ歴史。
久々に感動してしまった。
- ヨシオ
「稼がない男」。早稲田を出て留学、大手広告代理店に勤め、稼ぐことは誰かからお金を奪うことと悟り、稼がない人生を選択した。芯が通った人物。
人のつながりを大切にすることができる。
幼く自己中心的ではあるが、マリエに対する行動が純粋な愛であふれている。 - マリエ
主人公。恋愛も仕事もうまくいかない。
ヨシオが好きだが、結婚や子供を諦めきれない。
二人の人生が、バブル崩壊・リーマンショック・東日本大震災という節目で語られ、どうやって低所得(月収10~15万円)のまま必死に切り抜けてきたかが語られる。
この二人が絶対的にいい人だというわけじゃない。でもこんな生き方は全然アリだし、何より芯が通っている生き方に思える。
マリエがヨシオに惚れるのはわかる。ヨシオの生きざまはカッコいいのだ。実際、MBAエリートの竜太郎をはじめいろんな人に一目置かれているようだ。
最後にヨシオがフレデリックを引用するので、「確信犯のヒモかよ!」と突っ込みたくなるが、冷静に考えれば、ヨシオがマリエに金品を要求した描写は一回もない。矜持を持って生きているのだ。フレデリックとして生きるには、人並みではない覚悟が必要なのだ。
この人しか出来ない生き方に、感動させられた。