【書評】野心のすすめ(林真理子)【63冊目】

概要

高望みで人生は変わる。

凄い野心がある人だ。普通の若者が、ここまで欲望の炎を燃やせるものだろうか?

高望みをしても、達成できるのはその数パーセント。ということは、そこそこの人生を望めば、それより低い人生が待っているはずだと説く。必ずしもそうとは思えないが、著者は次のようにいう。

夜景の綺麗な高層マンションに暮らし、モデルと付き合い、女子アナと合コンし放題、という人生を夢見て、徐々に軌道修正していけば、気立ての優しい女性と結婚して、休日は子供と遊ぶ、という幸福な人生が待っているはずです。

要は、人生何が起こるかわからないから、攻め過ぎくらいの姿勢で行かないと、望むところには決してたどり着かないというのが著者の人生観だ。

それなのに、野心が希薄な時代がやってきた。社会は二極化し、下流社会という言葉が生まれ、草食系と呼ばれる人々が増えている。それが堪らなかったのでこの本を書いたのだという。

確かにそうかもしれない。では、野心を実現したら、どんな世界が待っているのだろうか?林真理子はいろいろな面で成功してきた人だから、それを教えてほしいと思って読み進めた。

自分に投資すると人気がついてくる

このくだりはすごく面白い。お金はとにかく不必要なぜいたくに投資する。高級旅館に泊まり、ふと思いついて遠くの国宝を見に行き、イタリアのサンマルコ広場に自分の足で立ってみる。

知り合いの奥さんに、
「林さんと話していると男の人は面白いでしょうねぇ。政治、経済、オペラ、歌舞伎、小説、おいしいワインやお店など何でも知っているから…」
と言われ、泣きそうなほど嬉しかったんです。

この無邪気さが可愛いではないか。

自分への投資が実を結べば、いろいろな人が寄ってきて、声がかかり、また面白い人に出会って、どんどん魅力的な人間になれる。

とても打算的ではないか。ほかには、

野心と強運の不思議な関係

野心と努力が重なり合ったときに、神様が強運をくれると言っていたり、

糸井さんや仲畑さんの超一流オーラ

という章では一流は一流で、三流は三流で固まるから、出会いのために野心を持たなければいけないと言っている。

確かに、野心を持てば、金の使い方が変わり、周りにいる人が変わり、人生が変わるような気がしてくる。

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