概要
飛行機が大雪で止まった夜の空港で、男は赤ら顔の老人と出会う。老人は男に問う。
「仕事は楽しいかね?」
この本の最も本質的なメッセージは、
「実験に失敗はない」
だろう。
一つのことを極めるという考え方、また人生には「目的」がなければならないという考え方には穴がある。なぜなら、人生は「失敗」の連続だからである。
一度失敗した人間は、もう一つのことを極めることも、当初の人生の目的も果たすことはできない。だから無気力な大人になる。世間は夢を持つことを推奨するが、プロ野球選手になれなかった球児には冷たいのだ。
著者は、「2つ目のキャリアで成功した人たち」は驚くほど多いという。
- エリツィン大統領は工事の現場監督を続けていた だろうし、
- あるメジャーリーガーはサッカー選手を続けていた だろう
と言う。そして、これらの人々は「ゴールポイゾニング」に侵されず、生涯実験をやめなかったから成功できたのだと言うのだ。
人生とは「一つのつまらないこと」がずっと続いていくことだ。その一つが仕事であると思っている人は多いが、本当はつまらないのは、「飛び跳ねないこと(実験の欠如したクリエイティブさに欠ける働き方)」なのだと著者は言う。
閉塞的な状況を打破する糸口を探す勇気を与えてくれる本だ。