概要
生まれた時から喪失を運命付けられた、救いのない人生の話。
いっぷう変わった本のオススメ(127冊達成!)
産業革命第一の波は農業、第二の波は機械、第三の波は情報化、第四の波は芸術だー
これからの時代は突出した個人、芸術家に組織はかなわなくなるという主張。ドラッカーが礼賛した知識労働者の時代は終わり。芸術家っていうのはジョブズとかゲーツとかのことらしい。トム・ピーターズとかとおんなじ主張。ビジネス本を乱読しては次に行く記憶喪失者向けの本。
まぁ読んでると何となくテンションが上がる感じはしなくはないけどそれだけ。ビジネス本はマジで中身がない
軍事力で圧倒的に優位にあるアメリカがイラクやアフガンで勝てない理由が分かった。
1章では、爆弾の攻撃がアメリカの武装で防げないことを解説する。頭蓋骨や脳への影響により、PTSD/TBIを発症させる。これによりアメリカでは、兵士が年に5000人に1人自殺している。
3章では、2007年に生じた武力革命によって生じたアメリカの圧倒的優位が、逆に勝てない仕組みを生み出したことを解説している。タリバンの幹部はこう語る。
They have watches, we have time.
勝てないならば、テロリズムの手法を使って着実にダメージを与えながら逃げ回り、永久に戦闘を引き延ばせば、アメリカの経済は疲弊し、人も疲弊し、反戦世論がアメリカ国内で盛り上がり、勝手に敗退してくれるという理屈だ。
テロリズムは最小の費用で実行でき、彼らは失うものを持っていない。だから、長期戦に向いているという。
さらにタリバンでは「人件費」が安く、兵士を用意するのに武器込で月額16000円/人しかかからない。米軍は「人件費」だけで200000円/人であり、さらに技術革命後の兵器はとてつもなく高価で、装甲車は1台4800万円である。装甲車がないと、爆弾を防ぐことができないので必需品なのだ。さらに、戦場内にゲームセンターや31アイスクリームまで出店しているというありさまである。
さらに、アメリカの装備は圧倒的過ぎて、現地で仲間を作ることができない。どういうことかというと、米軍は装甲車で安全に移動するが、現地の協力軍はジープに5人乗り。爆弾がさく裂したときに死ぬのは、現地人の軍隊だけなのだ。
このように台風の目の役割を果たす爆弾は1000円/発であるという。
完全に算数が成り立っていないのだ。4章では無人ロボットが延々と投入され、また湯水のように金が使われる。そして現地人は、「アメリカが、ゲーム感覚で俺たちを殺すテロ事件を起こしている」と憎悪を募らせる。
2012年時点でイラク・アフガン戦争はアメリカ最長の戦争となり、かかった金額は300兆円、アメリカ側の死者は25万人となった。
オバマ大統領は2009年にノーベル平和賞を受賞した。
一方タリバンは、2012年、アフガニスタンの8割を手中に収めた。
オリンパス粉飾決算事件ですべての罪を押し付けられた人が冤罪を主張する本
めちゃくちゃ面白い。
野村証券もオリンパスも群栄も怖すぎだ。社会で働くこと自体が恐ろしくなってしまう。
冤罪をいくら主張し、検察や証人の主張の矛盾をいくら喚きたてたところで、起訴有罪率99.9%の日本では役に立つはずもない。檻の中で、著者はこう思う。
野村証券も検察も同じなんだ。
客に損をさせる商品を売らなければいけない野村證券の営業マン。
冤罪かもしれない容疑者に自白させなければいけない検察官。
どちらもブラック企業なんだ。
著者はどちらかといえば「嫌な奴」で、人の上に立つ器で無かったから野村證券にもオリンパスにも裏切られたのだ、という見方もあるようだし、当然あっていいだろう。
だが、だからといってこんなに面白い本を全否定して得られるべきものを得ないのはもったいない。この本が途中で嫌になったら、最終章11章だけでも読んでみてほしい。特に上記のシーンは必見だ。