§1 表象としての世界

世界は私に認識されるもの、つまり「表象」である。

我々は太陽を知っているようで知らず、知っているのは目に映った太陽の表象だけだし、大地を知っているようで知らず、知っているのは足を支える感覚の表象だけなのである。

その他に世界に「存在」するものがあるとしたら、それは「意志」である。実際、「世界は徹頭徹尾私の意志である」というのもまた真理である。ただし、この2つ目の真理については、1巻(§1~§16)ではあえて触れないことにする。1巻では、「世界は徹頭徹尾私の表象である」という側面から、世界の解明を試みる。

そしてこの2つの他には、いかなる実在も世界には存在しない。