§22 意志は力を包括する

自然現象を成り立たせているものとして、哲学では「力」という概念が利用されてきた。
しかし、実は「力」とは相対的な概念に過ぎない。
「力」とは「結果」に対して「原因」が及ぼす影響のことであるが、
この定義からして、原因と結果の間に成り立つ相対的な関係を表す概念に過ぎないことがわかる。
あらゆる他の概念と同様に、力という概念の基礎となっているのは、
結局、客観世界の認識なのである。

しかし、私が求めているのは、相対的ではなく、直接的な表象による世界の描写である。
世界は直接的な表象=「物自体」によって描写されるべきである。

それは、自然のなかで前進し作用しているすべての力の本質であるところの「意志」である。
もちろんこれは人間の意志と本質的に同一のものだから、こう呼ぶのである。
「意志」こそが、世界のパーツである「物自体」なのだ。

「力」という概念は、二次的なものとして退けるべきである。
なぜなら、「力」という概念を「意志」という概念に還元することで、
一つの未知の概念を既知の直観に還元したからである。

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