ショーペンハウアーの哲学

§4-1 人の与える印象

猫は撫でてやると必ず喉を鳴らすが、人間も得意なことで褒められると、喜色満面になる。

人は他人の意見の奴隷であり、この喜びを過大評価しないよう、気を付ける必要がある。

人のあり方(1)と有するもの(2)に対して、人の与える印象(3)はわれわれにとって本当に存在するものではない。およそ人の頭には未熟さ、浅薄さ、偏狭さ、おびただしい誤謬が渦巻いており、どんな偉大な人物にも寄ってたかって非難を浴びせるものではないか。