§5 洞察力

読書はつぎはぎの思想を生じさせ、精神をさらに混乱させる。詰め込み過ぎの精神は洞察力を全て奪われている。

これは、一般に思慮深いと思われている学者達が、実は常識や正しい判断力を一切備えていないことからも、明らかだろう。

思想家が大量の知識を有機的に結合できるのは、パイプオルガンの基礎低音のように、膨大な知識を通奏する壮大な洞察力があるからだ。この洞察力は、膨大な知識を消化し、自らに同化し、自分の思想を益々強大にしていく。

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