ショーペンハウアーの哲学

§8b+9 断定口調について

真の思想家は、断定口調をとることが特徴である。それには理由がある。

彼の思想は、彼にとっては当然のことになっているのだ。なぜなら、その思想の中の判断は、全て彼が下したものだからだ。この意味で、真の思想家は君主に酷似している。

ならば、彼の思想や権威に捕われた追従者は、法に服従する民衆に近い。彼らは思想を真に理解していないから、断定口調をとれるはずもない。