女性の美

男の性欲がなくなれば全ての女から美は消え去るであろう。

出典:

  • 「女について」
    この掌編はたった22ページしかないが、破壊力が高い。
    『背の低い、肩幅の狭い、尻の大きな、足の短い種族を、美しいものと呼びうるのはただ性欲のために呆けている男たちだけである。』
    と散々である。

ショーペンハウアーは、母親(ヨハンナ・ショーペンハウアー)との反目も手伝って女性に手厳しいが、単に批判をしているのではなく、女性の本質を見抜いた記述の評価は高い。しかしこれは少々弁護のしようの無い悪口と捉えられても仕方ないかも知れない。

もしかしたらショーペンハウアーからは本当に性欲が消え去っていて、純真に上記のようなことを疑問に思ったのかも知れない。結局は、謎である。

女同士

男同士は無関心に過ぎないが、女同士は生まれながらにして敵同士である。

出典:

  • 「女について」 §17
    『女性の運命は、いかなる男に気に入られたかということのみで決まるからである。』
    と、社会的な背景も考慮に入れられているのが面白い。

ショーペンハウアーの考えでは、一夫一妻制は女性を不幸にする制度であった。それは、一夫多妻制の時代に比べ、男性が慎重に女性を選ぶようになったことで、「あぶれる」不幸な女性が増えたから、であると言う。彼は結局結婚しなかった。

女性とは

ショーペンハウアーの名言。「女性とは」

女性とは、肝臓を持ちながら、胆嚢を持たない生物のようなものである。

出典:「女について」

  • 『女性とは、肝臓を持ちながら、胆嚢を持たない生物のようなものである。直感的なものは理解できるが、抽象的な思想や、硬い決心や、長期的や思考を持たないので、真の道徳を敷衍出来ない。』
  • 『この理由で女性は生まれつき不正に長けている。女に嘘をつくのはすぐに見破られるのでやめた方がいい。上記の根本的欠陥から、虚偽・不貞・裏切り・忘恩などが生じてくる。』

解説:
ショーペンハウアーの女性蔑視は、もはや芸術的だ。女の嘘が上手いとは、日本でも昔からある俗説で、感情的に使われがちなフレーズ。価値観が近視眼的であることでそれを説明しようとしているのはそれよりは細かいというか、論理的ではある。

だが、胆嚢はさすがに酷いだろう。煽りが入っていると言える。