ショーペンハウアーの哲学

§4 根拠の原理3 – 因果性と悟性

悟性とは、因果性を直観する力のことである。

因果性とは、「存在の原理」が形態化、すなわち表象されたものである。あらゆる物質は我々の身体に働きかけることにより表象されるから、因果性として認識される。
逆に、我々のあらゆる認識は、因果性に囚われて制限されてしまうという原理である。

物質をより絶対的な存在、「存在の原理」の表象化以上のものである「根源的存在」すなわち「物自体」であると考える根拠はない。

物質は時空間の中に表象されるが、異なる場所と時間において認識されることを「同時存在」と呼ぶ。「同時存在」の特別な例として「持続」という概念が表象され、「持続」に対する相対的な概念として「変化」が表象される。

§3 根拠の原理1・2 – 時間・空間
§4 根拠の原理3 – 因果性
§- 根拠の原理4 – 動機