幸せになるには

これまでの幸せを数えたら、あなたはすぐ幸せになれる。

出典:

解説:
この言葉を理解するには、ショーペンハウアー思想の「永遠の現在」という概念について解説が必要である。
意志は認識を欠いていて盲目なので、過去や未来の存在に気づかない。いや、本来意志としての世界には、過去や未来自体が存在しないとショーペンハウアーは説く。これが「永遠」と呼ばれる考え方である。プラトンの言葉を借り、

時間は永遠の彫像である

とも表現される。

ロジックは割愛するが、「永遠の現在」は、 休むことのない死 原文検索 であり、永遠の苦痛である。幸福とは、その苦痛を認識の力でごまかしているに過ぎないんだよというのが実はこの句のテーマである。

本当は”過去”など存在しないのに、認識は過去を美化して「マーヤーのヴェール」となり我々を欺く。過去の幻像から現在に眼を転じれば、やはり苦痛であることに何の変わりも無い。

だから、実は幸せとはその程度のことで、幻なのですよ、というのがショーペンハウアーの言いたかったことなのだ。

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