弦理論の数式5(リーマン曲率テンソル)

R_{kji}^h = \\\displaystyle\frac{\partial}{\partial x^k} [\frac{1}{2} g^{ha}[\frac{\partial g_{ia}}{\partial x^j}+\frac{\partial g_{ja}}{\partial x^i}-\frac{\partial g_{ij}}{\partial x^a}]] \\- \frac{\partial}{\partial x^j} [\frac{1}{2} g^{ha}[\frac{\partial g_{ia}}{\partial x^k}+\frac{\partial g_{ka}}{\partial x^i}-\frac{\partial g_{ik}}{\partial x^a}]] \\+ \frac{1}{2} g^{hb}[\frac{\partial g_{kb}}{\partial x^a}+\frac{\partial g_{ab}}{\partial x^k}-\frac{\partial g_{ka}}{\partial x^b}] \frac{1}{2} g^{ac}[\frac{\partial g_{jc}}{\partial x^i}+\frac{\partial g_{ic}}{\partial x^j}-\frac{\partial g_{ji}}{\partial x^c}] \\- \frac{1}{2} g^{hb}[\frac{\partial g_{jb}}{\partial x^a}+\frac{\partial g_{ab}}{\partial x^j}-\frac{\partial g_{ja}}{\partial x^b}] \frac{1}{2} g^{ac}[\frac{\partial g_{kc}}{\partial x^i}+\frac{\partial g_{ic}}{\partial x^k}-\frac{\partial g_{ki}}{\partial x^c}]

なにやら複雑な式ですが、これをリーマン曲率テンソルといいます。

自明なこと

添字は、a, b, c, i, j, k, hの7種類なので、項の種類は4^7=16384個あります。

そのうち、a, b, cは和を取ることで消え、4^4=256種類のリーマン曲率テンソルが残ります。

jとkについて反対称な式になっているので、次が成り立ちます。

R_{kji}^h = -R_{jki}^h

そのため、j=kが成り立つ対角成分は、すべてゼロになります。

R_{00i}^h = -R_{00i}^h = 0 \\R_{11i}^h = -R_{11i}^h = 0 \\R_{22i}^h = -R_{22i}^h = 0 \\R_{33i}^h = -R_{33i}^h = 0

これらの項は、4^3=64個あります。非対角成分の反対称な組は、4^2×6=96個あります。

そのため、リーマン曲率テンソルには、独立な項は256-64-96=96個しかありません。

1階微分係数と2階微分係数の数

次に、項の数を数えます。積の微分により2項に分かれる分を勘案すると、

(2+2+2) + (2+2+2) + 3×3 + 3×3 = 30

ですので全部で30項となります。そしてその内訳は、

  • 2階微分 6項
  • 1階微分2つの積 6項
  • 1階微分2つと逆行列2つの積 18項

となっています。

さらに、2階微分のうち2つは打ち消し合います。

\displaystyle [\frac{\partial^2}{\partial x^k \partial x^j} - \frac{\partial^2}{\partial x^j \partial x^k}] g_{ia} = 0

そのため、

  • 2階微分 4項
  • 1階微分2つの積 6項
  • 1階微分2つと逆行列2つの積 18項

となります。

追加で書くこと

  • 計算の簡略化について