ショーペンハウアーの哲学

§5 唯物論と観念論の否定

因果性は「表象と表象」とを関連付ける4つの「根拠の原理」のひとつに過ぎない。
また、主観は主観自身を認識することは出来ないから、主観は表象ではない。

ゆえに表象ではない主観に対して因果性を適用する試みは間違いであり、

も、ともに意味を成さない。
つまり、主観と客観を結ぶのは因果関係ではなく、認識なのである。

もし初めに私が仮定したように世界とは単なる表象の集合なのだとしたら、
人生とは表象の集合として相互に関連しあう長い夢であり、単なる表象だという意味で、夜見る夢(“短い夢”)と区別のつけられないものになってしまう。