寓意は概念を基に絵画に埋め込まれた仕掛けで、純粋に芸術を鑑賞できない人々の歓心を買うためのものである。(ただし、ヴィンケルマンの考えでは寓意こそが芸術の最高の目的である。ショーペンハウアーの哲学とは当然相容れない。)
寓意の中でも象徴は、芸術に全く寄与しない。例えば、十字架はキリストの象徴である。象徴は概念であり、芸術に寄与しない。
寓意が許される唯一の芸術は、詩である。詩は概念を用いて鑑賞者を直観の世界に誘う。隠喩、直喩、例え話、寓意が詩の仕組みである。文学における優れた寓意はいくらでも例を挙げることが出来る。