ショーペンハウアーの哲学

§62-1 不正

あらゆる個体が意志を肯定することにより、不正が生まれる。不正とは、自分の意志の肯定のため、他人の利益を犠牲にすることだ。

不正ははなはだしきは人肉食、殺人、傷害に始まり、奴隷化、財産侵害、嘘と続く。

不正を行ったものが感じる良心の呵責は、意志が意志自身を喰らう、矛盾の直観である。