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金銀銅はオリンピックのメダル…
だけではなく、コンピューター基盤にも多く使われている。
- 金:ノートパソコン1台には金が0.15g含まれているという。マザーボード基盤の端子のメッキに使われている分で、電子を通りやすくする効果がある。
- 銀:ノートパソコン1台には銀が0.5g含まれているという。これもメッキだ。
- 銅:ノートパソコン1台に銅は100gも含まれている。桁外れだ。基盤の回路部分はほとんどが銅である。また、銅は導線にもなるし、コネクタにもなる。
- パラジウム:これも0.3g含まれている。これを書いている時点で金は1gあたり6000円、パラジウムは1gあたり7500円であるから、金よりも貴重な金属である。
では、なぜこれらの金属は特別なのだろうか。金銀銅は第11族元素であり、最外殻にs軌道電子があり第一イオン化エネルギーが低いからである。
といきなり言われても厳しいだろう。
以下では、原子の電子配置、s/p/d/f軌道についてと、それがフェルミ・ディラック統計によりどう埋められていくのかを解説する。
s/p/d/f軌道
原子番号29:銅
29個の電子の最初の18個はAr(アルゴン)配置を埋める。次の10個は3d軌道を埋める。最後の1個が4s軌道を埋める。
原子番号47:銀
47個の電子の最初の36個はKr(クリプトン)配置を埋める。次の10個は4d軌道を埋める。最後の1個が5s軌道を埋める。
原子番号79:金
79個の電子の最初の53個はXe(キセノン)配置を埋める。次の14個は4f軌道を埋め、その次の10個は5d軌道を埋める。最後の1個が6s軌道を埋める。
金については相対論的効果も触れておきたい。
番外編 原子番号46:パラジウム
パラジウムは銀と1個しか原子番号が変わらないため、銀から5s軌道の電子1つを取り除いたものだが、その性質は大きく異なる。パラジウムはレアメタルである。レアメタルは大体コンデンサに使われるため、コンデンサの章で解説する。
ここまでのまとめ
金銀銅は自由電子が生じやすい。
Q&A: 4s/5s/6s軌道の形は1s軌道とどう違うのか
Q&A: 第一イオン化したときに、s軌道以外は影響を受けないのか
理解度確認
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