親の遺産を受け継いだ人間は幸福である。
出典:
- 幸福論第3章「人の有するものについて」
『運命からの授かりものであり、初めて自分の時間と能力を自由に発揮できる』
『この意味で、1000ターレルの年金と100000ターレルの年金の差異は少ない』 - 同章
『ただし、親譲りの財産が価値を発揮するのはこれを譲り受けた人間が高度な精神的能力を備えている場合のみである。』
『いわば運命から二重の授かりものをしたのでなければ、その人間はごくつぶしの軽蔑すべき人間であるし、そうした人間は幸福にもならない。』
解説:
ショーペンハウアーの身も蓋もない名言。現代日本では『仕事を好きになる』とか『仕事で自己実現』という耳当たりの良い言葉で現実的な落としどころが模索されるが、金持ちであるショーペンハウアーはこれを一刀両断するのである。