§1 存在って不思議

存在への問いは古来より至高の問いであった。

だが現在では、存在とは単に定義不能な概念で、考えるだけ無駄とされている。これは三つの誤解から来る先入観に過ぎない。

  1. 存在は明確な概念であるという誤解
    → 存在はむしろ曖昧な概念だ。
  2. 定義出来ないものについては考えられないという誤解
    → 定義不可能だからと言って問いは阻まれない。
  3. 存在は自明な概念であるという誤解
    → 誰もが存在の意味をすぐ了解出来ること自体が謎である。

では、存在への問いとは何であろうか?

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