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劇中作 本編

“質問”

“質問”

人間が考え得ること、

それはひるがえって、

その考え得る人間にとって何を意味するか。

“回答”

私は恥じている。なにを見ても

まったくのところ消えてなくなりたいほどだ。

この虚脱、このこのれい?弱は本来私に装飾されるものではなかった。

人間が当今までなし得た否定は

或るまとまった、完全な、そのものとしてただそれだけの、謂わば非常に「自己的なもの」に過ぎなかった。

人間が嘗て人間を捻り歪め得たとは、

誰だって信じてやしない。

その癖、それは奇妙な屈辱で…

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