幸福な生活とは何かといえば、主観的に、生きていないよりは断然ましだと言えるような生活のことである。
われわれは幸福な生活を求めて生きているのであって、ただ単に死の恐怖により生き永らえているのではない。しかし、人生がこういった幸福な生活に合致することがありうるかどうかということには、私の哲学は否と答えている。
したがって、幸福論という言葉そのものがバナナの叩き売り式の美辞麗句に過ぎないのであり、この論述は妥協の産物である。この本の内容も、古代の賢者の言葉を繰り返し述べたものに過ぎない。
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