バンド理論

金属に電流が流れる理由

これで準備が整った。

金属中には原子核が結晶状に(例えば面心立方格子として)存在する。この影響は、ハミルトニアンの微小な項 – 定常波同士の相互作用項として表現される。この相互作用の影響で、金属中の電子は、平面波とは異なる形の定常波になる。

+U(相互作用)

これらの定常波にも、埋まっていく順番がある。Eが低いほうから埋まっていくが、今回は、エネルギーはkの関数E(k)。

宿題:V = … = hbar * k / m ???

E(k) = (hbar)^2 k^2 / 2m (運動エネルギー)

(実効運動量p = hbar * k)

Kが低いほうから、フェルミディラック統計に従って、電子の状態が埋まっていく。

K0, k1, k2, k3, 2k0, 2k1, 2k2, 2k3 …. =フェルミ球の内部から埋まっていく。

(フェルミ球面を書く)

ということは、関数の形E(k)を知らないと、埋まっていく順番がわからない。

解の形を

E(k) = E0 + ΣUk * ψk

のように、平面波ψkが微少量Uk係数でたしあわされた形と仮定。(ブロッホの定理)

シュレーディンガー方程式に代入。

Uk<<1なので、3乗した項を無視すると、

E(k) = E0 + Σ(U^2の項)/ΔE

E0は、

のEの解。E0=k^2。下の図の点線。

宿題
(バンドギャップの図を書く)

図の左がわでkを減らすと、ΔE>0なので、Eは上がる。E(k) = E0 + Σ(U^2の項)/ΔE=E0 + 正

図の左がわでkを増やすと、ΔE<0なので、Eは下がる。E(k) = E0 + Σ(U^2の項)/ΔE=E0 + 負

これをバンドギャップという。

周期的に原子核の影響は、シュレーディンガー方程式のハミルトニアンの微小項Uで表現され、バンドギャップを生じる。

フェルミディラック統計のフェルミ面ミューがたまたまバンドギャップ内に存在すると、電子がバンドギャップの上下を確率的に移動するようになる。
(禁制帯と金属/非金属の絵を描く)

このバンドギャップの下側かつフェルミ面の上側にある電子が「ほとんど自由な電子」(Nearly Free Electron)である。ブロッホの定理の波動関数系であるように制限されているので、自由電子ではない。自由電子はある座標xyzの周りに局在する波動関数だが、NFEは、金属結晶全体にまたがる定常波。

バンドギャップとフェルミ面がかぶってしまうと、熱エネルギーではギャップを越えられず、不導体となる。

自由電子の定常波形はkから計算できる。E(k) k=E^(-1)(μ)

V(平面波の進行速度) = V(k)

Kx = vt

V = kx/t

結論:平均自由行程=1cm

これで、平均自由行程の観測値と、また抵抗Rの観測値と一致する。

「バンド理論」への1件のフィードバック

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