大切なのは普通の言葉で非凡なことをいうことである。
出典:
- 「思索」 §8b
真の才能に恵まれた頭脳の持ち主の作品には、断固たる調子、確固たる態度、明晰判明な表現があるが、これらのいずれも凡庸な人々には欠けている。 - 「意志と表象としての世界」 §47 裸身
思想豊かな精神は、平明に自己を表現する。貧弱な精神は、遠回しで曖昧な、小難しげな言い回しで武装して、華麗ではあるが空漠としている。
解説:
ショーペンハウアーの根本的な思索の態度を表した語。
このサイトの主著の要約からもわかるように、ショーペンハウアーの哲学はほとんどが普通の言葉からなっていて、独自の専門用語はほとんど無い。
そのおかげで、ショーペンハウアーの哲学は時代を超えて読み継がれるのかも知れない。
逆に、わかり易すぎることで学者からは無視されたり、アンチが続々と誕生したり、さらには浅いと考えられてしまうという運命をたどったが、ショーペンハウアー本人はそのようなことを恐れなかったようである。