§7 勤勉な人々への警告

今日、学問にとっての研究対象は広がるばかりである。実際、既存の学問の範囲は狭すぎる。以下のような範囲にも、学問や研究が必要ではないか。

  • 愛の歴史
  • 貪欲・嫉妬の歴史
  • 法・刑罰の比較史
  • 一日の使い方の影響
  • 労働・祝祭・休息の最適化
  • 食生活が道徳に与える影響
  • 栄養の哲学
  • 共同生活、特に修道院の生活の影響
  • 結婚と友情の弁証法
  • 学者の生態
  • 商人の生態
  • 芸術家の生態
  • 職人の生態
  • 道徳が人間の衝動の成長に与える影響

これらどの分野にも勤勉な人々の何世代にもわたる協力が必要なのだ。

こうした研究が残らず完了したとき、人間の行為の全ては説明され尽くし、もはや人間は行為に際し目的を持てなくなるだろう。

そして代わりに、学問が人間に、行為の意味を教えてくれる時代がくるだろう。

そのとき、幾世紀をまたにかけ、あらゆるヒロイズムを満足させるような実験が行われるだろう。

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