頭脳労働者は残業代のつかない年棒制であることが多い。
管理職は残業代のつかない部下に残業や休日出勤させて、「生産性」を水増ししようとする。そもそもこれは時間当たりの生産性とは何の関係もない数字で、単なる詐欺であるのだが、長期的に見れば、もちろんこれも下がる。
むしろ、サービス残業をさせることで、長期的には様々な問題を生み出しているように思われる。
仕事中毒は誰でもかかる病気であり、プライベートも家族も犠牲にして働き続けるが、限界に達すると仕事中毒患者は燃え尽きてしまう。そして突然退職する。とくにキーマンの退職のケースでは、そのコストは計り知れない。生産性について考えるには、この数値を考慮に入れねばならない。
次に、せかせば仕事の質が低下する。
最後に、人間は長時間労働させられると無意識のうちにサボる傾向がある。それは仕事中のおしゃべりであったり、長電話であったり、ばれないように巧妙なサボり癖になっていく。こうしたサボり癖がつくことによって、やがて12時間働かせても、その中身はやっぱり8時間分の労働でしかなくなる。