§14 ホーンブロワー因子

先天性

英国王室海軍の将校、ホレイショー・ホーンブロワーの考えはおおむね正しい。それは、「成功者は作られるのではなく生まれながらのものである」という考えである。

確かに上司と部下の関係は一時的なもので、上司が部下の人格を変えることは出来ない。出来ない部下を出来るようにすることは上司には出来ないのかもしれない。だから、企業にとってはどのように優れた人材、並外れた人材を集めるかが最も重要である。

組織の画一化

しかし、普通の人は、並外れた人材を恐れ、普通の振る舞いをする外見の良い人材を採用する傾向がある。

また、とっぴな行動を恐れ、標準的なルールをおしつけ、『プロらしい振る舞い』という下らない言葉で、行動を画一化しようとする。

だから、企業内ではエントロピーは常に増加する。エントロピーの増加とは、物理学で、画一化の進行を意味する概念である。

組織の死後硬直

そのため、古い企業は優れた人材を集めることが出来ない。

そのような『死後硬直』した企業では、自分のプロジェクトだけはせめて生き生きと活動させるしかない。

»目次に戻る(ピープルウェア)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です