§18 全体は部分の和より大なり

結束

チームに挑戦が必要なのは、挑戦的な目標がチームを結束させるからである。

結束したチームでは、生産性・品質が高まるうえ、メンバーが仕事自体から喜びを得るようになる。

組織目標

管理者の目標は、会社の目標とたいてい一致する。しかし、チームの目標は、会社の目標とは一致しない

特に、上級管理者は、会社の最下層であるエンジニアチームと直接接する機会がないから、このことに気づかないことが多い。

結束したチームに対して、利益の増加で盛り上がった重役が、「利益10億ドルを計上・・・」「過去最高の第二4半期のために・・・」とでも言おうものなら、たちまちチームメンバーの注意は興味のない話題に気をそらされ、結束は雲散霧消してしまうのである。

チーム編成

個々の仕事自体は、各エンジニアが行う。実際、チームワークを必要とする仕事はほとんどない。

それにもかかわらず、ベクトルを合わせ、結束を起こさせるために、チーム編成が必要なのだ。

結束したチームの特徴

結束の強いチームには、以下の特徴がある。

  • 退職率が低い
  • 選民意識がある
  • 生産物共有意識がある
  • 仕事自体から喜びを得るようになる

つまり結束したチームとは自分たちだけ固まり、他のチームを見下した態度で、内輪受けする人たちである。これは、管理者が嫌うもの、派閥である。管理者は派閥が、集団で反旗を翻したり、集団で辞めてしまうことを恐れる。しかし、派閥こそが、真の目標、高い生産性と品質に対して大きな役割を果たすものなのである。

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