§17 既存の学問は全部ダメだ。

数学も、哲学も、自然科学も全てダメだ。

既存の学問は全て、原因論的な説明に過ぎない。2つのものの片方を原因、片方を結果としてみても、ひとつの相対的な真理が明らかにされるに過ぎない。
これでは、世界の本質、つまり世界が単なる表象ではないという一面に迫ることは出来ない。私は問う:

「この世界には表象のほかには何も無いのか?
われわれの傍を通り過ぎる蜃気楼なのか?そんなはずは無い。
そうでないとしたら、その本質は何であり、
どのように表象と根本的に異なっているのか?」

既存の学問は全て、城の周りをぐるぐる回って入り口を探しても見つからないので、さしあたり正面のスケッチでもしておくというような人に似ている。

しかし、以下に述べるように、私は世界の本質を解明する、新たな思想を生み出したのだ。

»目次に戻る(意志と表象としての世界)

Tagged . Bookmark the permalink.