幸福論序文 幸福な生活とは何か

幸福な生活とは何かといえば、主観的に、生きていないよりは断然ましだと言えるような生活のことである。

われわれは幸福な生活を求めて生きているのであって、ただ単に死の恐怖により生き永らえているのではない。しかし、人生がこういった幸福な生活に合致することがありうるかどうかということには、私の哲学はと答えている。

したがって、幸福論という言葉そのものがバナナの叩き売り式の美辞麗句に過ぎないのであり、この論述は妥協の産物である。この本の内容も、古代の賢者の言葉を繰り返し述べたものに過ぎない。

目次:

§1-1 人間の三つの根本規定

§1-2 精神的な享楽の能力

§1-3 内面の貧困

§2-1 朗らかさ

§2-2 苦痛と退屈

§2-3 俗物(フィリステル/Philister)

§2-4 最も幸福な内的生活

§3-1 海水

§4-1 人の与える印象

§4-2 名誉欲

§4-3 虚栄心

§4-4 誇り

§4-5 3つの名誉

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