人間の幸福度の差は、3つの根本規定に帰着できる。それは次の3つである。
- 人のあり方、すなわち人品、人柄、人物。
- 人の有するもの、すなわち所有物。
- 人の印象の与え方、すなわち他人にどういう印象をいだかれるか。
(1)は自然が設けたもの、(2)と(3)は人間が設けたものである。
(1)が、単に人間の設けた(2)と(3)による影響よりも、はるかに本質的・根本的であることは、想像がつくはずである。例えば、人のあり方(1)のうちには、内心の快不快が直接宿っている。これに反して外部にあるいっさいのものは、間接的に内心の快不快に影響を及ぼすにすぎない。