§49 寛大さ

寛大さは形を変えたエゴイズムである。

寛大な人間は「振幅」が大きいだけで、突発的な感情の変化が、嫌悪から満足へと極端な変化をさせるのである。

我々は寛大な人間に感銘を受けるが、彼は極端に復讐に飢えた人間でありながら、満足も過度にしてしまう。その結果嘔吐を覚え、敵を許し、敬意を払い、敵を祝福しさえする。この、エゴイズムから発する強烈な衝動の一面が寛大さであるに過ぎない。

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