【書評】詐欺の帝王(溝口敦)【85冊目】

概要

詐欺の帝王がジャーナリストに懺悔した内容。

帝王がどのくらい帝王かと言うと、ピークには週に9000万円が彼の懐に入っていた。一度、恋人のキャバ嬢を1位にするために、一晩に4000万円を使ったらしいが、痛くも痒くもなかったという。

彼の財源は

  • オレオレ詐欺(発明者)
  • ワンクリック詐欺
  • 未公開株詐欺
  • 社債詐欺
  • イラクディナール詐欺(発明者)

など100通り以上にも及ぶ。

どうやって帝王は上り詰めたのか。

経歴

帝王は大学進学に伴い上京したが、1年生の時にはすでにイベサーを掌握していた。土曜日のベルファーレを6時間120万円で借り切り、スーパーフリーに250万円で売るといったことをやっていた。

当時帝王の上にいたSTという人間は暴力団の子息を顎で使い、のちにマッキンゼーに入社した非常に頭の切れる人間だったという。

大学を1単位以外全て「優」で卒業。卒論は「イノベーション」について。大学卒業後は大手広告代理店に入社するが、5年で左遷されそれを不満に退社。スーパーフリー事件との関与を会社に疑われたからだ。

その後、闇金に参入し、システム詐欺に手を広げた。2002年に闇金を始めてから2年後には、オレオレ詐欺を創始したという。

2008年にはタンス預金が何百億もあった。1億円でミカン箱一つ分だが、それが何百箱もあったのだという。襲撃事件もたびたびあったし、税務署にも襲撃された。

そこで、帝王は海外に資金を対比させることを考えた。ドバイに遊びに行ったときにイラクディナールを日本に持ち帰り、両替できないことに落胆したが、転んでもただは起きぬ帝王、イラクディナール詐欺を思いついたのだという。

海外に資産は分散した。仲間はどんどん逮捕された。帝王も、逮捕で資金を没収されたくないから、自ら引退を決意した。しかし後には、自由に引き出せない巨額の口座のみが残った。

システム詐欺とは何か

システム詐欺とは、1人の個人を複数の店が囲い込み、次から次へと「かぶせ」詐欺を行う、組織的劇場型詐欺である。

例えば自転車操業になって、ある闇金に元金が返済できなかったとする。しかし、グループ全体でみれば、本当にその人に貸した元金は最初の100万程度であり、グループ全体で得た金利や詐欺額からすれば無視できる範囲である。と言う仕組みである。