概要
どうやって不安に対処するかの指南書。
実名を出した、数々の実在の人物のエピソードによって語る稀有な本。
いっぷう変わった本のオススメ(31冊達成!)
産業革命第一の波は農業、第二の波は機械、第三の波は情報化、第四の波は芸術だー
これからの時代は突出した個人、芸術家に組織はかなわなくなるという主張。ドラッカーが礼賛した知識労働者の時代は終わり。芸術家っていうのはジョブズとかゲーツとかのことらしい。トム・ピーターズとかとおんなじ主張。ビジネス本を乱読しては次に行く記憶喪失者向けの本。
まぁ読んでると何となくテンションが上がる感じはしなくはないけどそれだけ。ビジネス本はマジで中身がない
コンサルティング業界でパートナーまで上り詰めた者の後悔・懺悔録。
「深海、南極大陸、ピラミッド、月!」
MBAを持っていないのかとプレッシャーをかけられ、激昂して著者が叫んだ言葉。
「嘘をつく、盗む、騙す」
特に有望な若い候補者を試すために、著者が採用面接で投げかけた質問の言葉。
私が知り合ったコンサルタントは、パブリックなデータソースを利用し、「正攻法」で仕事をする人たちだったと思われるし、それほどの悪人もいなかったと思う。しかし残念ながら、著者のほうがそういった人たちの万倍も仕事ができるし、遥かに魅力的であるように思われる。
嘘をつく、盗む、騙す。海底開発と日本に興味を持ち、日本鋼管で貧乏生活を送っていた著者に、転機が訪れる。コンサルタント1年目で、著者は立派な産業スパイとなる。そして、半年ごとに、信じられないような成果を信じられないような方法で上げていく。痛快である。
賢く、何にも洗脳されずに自分の頭ですべてを考え、多言語を操り、魅力的で、異性にモテ、「真に人生を楽しむ方法」、ナイトライフの過ごし方を知っており、しこたま飲んでも翌日にはそれをおくびにも出さない。出会う人間を全て仲間にし、吸血鬼のように全てを奪い取る。
しかし、段々、何かが壊れていく。7年目に達するころ(260ページ)には、完全に壊れてしまう。
レジリエンスリーダーシップとは何か。
リーダーや管理職は「感情労働」である。多くの多様な部下を「使って」成果を上げるには、ありとあらゆる感情を扱えなくてはならない。
感情を無視して、強権的なカリスマ型リーダーシップに任せるという手は、通用しなくなってきている。なぜなら、社会全体がナレッジワーカーにシフトしているから。ナレッジワーカーは専門性がなかったり、間違った知識をひけらかす浅はかな人間を嫌う。だから、強権的な人間には本心からついていかないことがほとんどだ。
それより、専門家が弱い「変化や危機」に対して打たれ強く、失敗してもすぐ立ち上がる頼もしいリーダーが必要とされている。この打たれ強さの能力を、「レジリエンス」と言う。この能力は、感情を扱う能力でもある。
この能力の利点は、次の5つに繋がることにある。
「振り上手」になるためのハウツー本。
無茶振りの社会的意義(目立つチャンス、仕事は天下の廻りもの、的な?)や、無茶振りで嫌われるメカニズムを理解することで、それを避け、お互いにWin-Winの無茶振りをできるようになりましょうという本。
ここまで気を遣ったら、もはや普通に人材育成に過ぎない。
つまり世の中で問題になっている「無茶振り」はこの本でほぼ語られていないようなもの。
こんな特殊な『無茶振り』について「のみ」語られても・・・。
仮に「上手な仕事の割り振り方」だったら売れなかっただろうなぁ。
ちょっとタイトル詐欺的な肩透かし感。内容について要約すると「相手の得になるよう渡してあげよう」。
芸術で金を稼ぐべきと主張する本。
凄いインパクトのある表紙。これだけで、開いてしまう。
中身はそれっぽいことを言っていて、Amazonでも星5のレビューばかり。
でも待ってほしい。あなたたちは本当に村上隆の作品を見たことがあるのか?
絵なら「And then,and then and then and then and then」などでGooogle画像検索を、映画なら以下を見てほしい。
まずこういうどうしようもない彼の駄作を見てから、冷静に本書を読み返すべきだ。彼の狡賢さは、「へへっ、俺は作家としては二流だもんねー」と開き直ってしまうことから始まる。
村上隆がお手本にしているのはウォーホルだ。本書から引用すると
となっている。
見せ方が良くて金さえ稼げれば中身などどうでもよいという姿勢は、前述の作品にも表れている。だったら、別のことで稼げばいいじゃない。もっと世の中の役に立つことで。
総じて、ビジネスマンとして優れているとか、本として面白いってレビューが多いけど、それだったら、商材を「芸術」と主張してくれなくていいんだよなあ。
成功者とされてきたのは外交的人間である。内向的人間が成功する道を探る。
最高のリーダーは何もしないよりも、だいぶしっかりした感じの本。ロジックが通っていて主張が明確だし、科学的で、論文書籍の引用も明確。これを読めば前者を読む必要はない。
ロジックはこうである。外交的なリーダーシップの神話は幻想である。歴史を振り返ると、人類を発展させてきたのは内向的な人間だ。内向的な人間は外交的な人間になる訓練を強いられている。それは自己啓発セミナーだったり、ハーバード・ビジネス・スクールだったりする。身近な学校教育でさえそのように変化してきている。
しかし、それは全く間違っていて、内向的人間は内向的人間のまま成功することを目指すべきである。なぜなら、発達心理学者ジェローム・ケーガン教授の実験が証明したように、「外交性/内向性は生まれか育ちかでいえば生まれ(扁桃体の反応性)で決まる」からである。つまり先天的であり、後天的に変化させるのは難しいのだ。ケーガンの実験はナチズムの優生主義と非難されたが、結局は事実だった。ではどうすれば良いか?
常識の逆、つまり会社を小さく保つ術を説く経営書。by 37 signals
2010年当時はこれが最新の「哲学」で、本屋に平積みされていた。原題は”Rework”。労働に対する世間の常識を疑い、労働を組み立てなおすという本だ。
この本は売れた。なんといっても37 signalsという会社は、Ruby on Railsを作った会社だからだ。
本書は何の本で、何が言いたいのだろうか。本書はカリスマ経営者が書いたものだけに引き込まれるものがあり、読むだけでハイテンションになってくる。これはこれですごい才能だが、冷静に読むと脈絡が難しい。
そこで目次に戻ってみようと思う。
つまり、これは読者が会社を作って、軌道に乗り、文化が定着するまでに「気を付けるべきこと集」である。ただ重要なのが、このまとまりのない本の底に流れる彼らの信念。
「小さい組織であり続けることの計り知れないメリット」
だ。
LINEの社長の経営哲学の本。
「偉い人はいらない。」
偉い人とは、みんなが従っている人のことである。それも怖いから。いやいや。会社での上下関係があるから。
そんな人が現場に介入すると、仕事のクオリティが下がる。いやいややっているからである。
偉い人が方針を打ち出しても、単に、「それに沿ってさえいれば叱られない」という、ただの免罪符になる。仮にそれが良い方針であっても試行放棄を招くし、施策の幅を狭める。結果として、やっぱり仕事のクオリティが下がってしまう。
だから、「偉い人はいらない。」森川亮はそう語る。
森川氏が社員にこれなんで?とメールをしても、ほとんどスルーされる。相手は自分のことを偉いと思ってない、これでいいのだ。
この本、内容も面白いが、森川氏の天性の柔らかい語り口が魅力である。
何か、この人の世界に引き込まれる感じがする。
森川氏の経歴はすごいのである。テレビ局→SONY→LINE社長である。しかも、いつも上司と喧嘩してやめている。MBAも取得されている。だから激しい人であって、単純に厳しい上司から逃げたいというような人ではない。
その人が、自分の体験をもって偉い人はいらない。と語る。そこも面白い。