概要
専門馬鹿の見聞の浅い歴史家が、歴史を超えた宇宙の壮大な話に言及して浅学がばれてしまい、😣ってなる感じの本。
読む価値なし
いっぷう変わった本のオススメ(15冊達成!)
専門馬鹿の見聞の浅い歴史家が、歴史を超えた宇宙の壮大な話に言及して浅学がばれてしまい、😣ってなる感じの本。
読む価値なし
軍事力で圧倒的に優位にあるアメリカがイラクやアフガンで勝てない理由が分かった。
1章では、爆弾の攻撃がアメリカの武装で防げないことを解説する。頭蓋骨や脳への影響により、PTSD/TBIを発症させる。これによりアメリカでは、兵士が年に5000人に1人自殺している。
3章では、2007年に生じた武力革命によって生じたアメリカの圧倒的優位が、逆に勝てない仕組みを生み出したことを解説している。タリバンの幹部はこう語る。
They have watches, we have time.
勝てないならば、テロリズムの手法を使って着実にダメージを与えながら逃げ回り、永久に戦闘を引き延ばせば、アメリカの経済は疲弊し、人も疲弊し、反戦世論がアメリカ国内で盛り上がり、勝手に敗退してくれるという理屈だ。
テロリズムは最小の費用で実行でき、彼らは失うものを持っていない。だから、長期戦に向いているという。
さらにタリバンでは「人件費」が安く、兵士を用意するのに武器込で月額16000円/人しかかからない。米軍は「人件費」だけで200000円/人であり、さらに技術革命後の兵器はとてつもなく高価で、装甲車は1台4800万円である。装甲車がないと、爆弾を防ぐことができないので必需品なのだ。さらに、戦場内にゲームセンターや31アイスクリームまで出店しているというありさまである。
さらに、アメリカの装備は圧倒的過ぎて、現地で仲間を作ることができない。どういうことかというと、米軍は装甲車で安全に移動するが、現地の協力軍はジープに5人乗り。爆弾がさく裂したときに死ぬのは、現地人の軍隊だけなのだ。
このように台風の目の役割を果たす爆弾は1000円/発であるという。
完全に算数が成り立っていないのだ。4章では無人ロボットが延々と投入され、また湯水のように金が使われる。そして現地人は、「アメリカが、ゲーム感覚で俺たちを殺すテロ事件を起こしている」と憎悪を募らせる。
2012年時点でイラク・アフガン戦争はアメリカ最長の戦争となり、かかった金額は300兆円、アメリカ側の死者は25万人となった。
オバマ大統領は2009年にノーベル平和賞を受賞した。
一方タリバンは、2012年、アフガニスタンの8割を手中に収めた。
中国からアメリカへの密入国を手引きする殺し屋”ゴースト”と、車椅子の犯罪捜査アドバイザーライムとの闘い
映画で有名なボーン・コレクターの3作目とのこと。そうとは知らず読んでしまった。もったいなかった。のっけから、説明なしに大量の前作からと思われる登場人物が出てきて混乱してしまった。
面白い。スリルもあるけど、こういうのは正義は勝つからなー・・・と思っていると、予想範囲内で終わってしまう。どんでん返しが2度用意されているが、どちらも想定の範囲内というか・・・。
同じアメリカの小説でも、想像の斜め上を行き続ける犬の力には及ばない。
敵役の”ゴースト”は残虐非道だが、非常に魅力的に仕上がっている。タイプは違うが、ハンニバル・レクターに匹敵する魅力。悪役好きの人にはたまらないかもしれない。
コンサルティング業界でパートナーまで上り詰めた者の後悔・懺悔録。
「深海、南極大陸、ピラミッド、月!」
MBAを持っていないのかとプレッシャーをかけられ、激昂して著者が叫んだ言葉。
「嘘をつく、盗む、騙す」
特に有望な若い候補者を試すために、著者が採用面接で投げかけた質問の言葉。
私が知り合ったコンサルタントは、パブリックなデータソースを利用し、「正攻法」で仕事をする人たちだったと思われるし、それほどの悪人もいなかったと思う。しかし残念ながら、著者のほうがそういった人たちの万倍も仕事ができるし、遥かに魅力的であるように思われる。
嘘をつく、盗む、騙す。海底開発と日本に興味を持ち、日本鋼管で貧乏生活を送っていた著者に、転機が訪れる。コンサルタント1年目で、著者は立派な産業スパイとなる。そして、半年ごとに、信じられないような成果を信じられないような方法で上げていく。痛快である。
賢く、何にも洗脳されずに自分の頭ですべてを考え、多言語を操り、魅力的で、異性にモテ、「真に人生を楽しむ方法」、ナイトライフの過ごし方を知っており、しこたま飲んでも翌日にはそれをおくびにも出さない。出会う人間を全て仲間にし、吸血鬼のように全てを奪い取る。
しかし、段々、何かが壊れていく。7年目に達するころ(260ページ)には、完全に壊れてしまう。
「ユートピア」の不幸さを描くSF小説。
未来のある日。そこはユートピアと化していた。
人工授精により、優れた人間から劣った人間までが決まった割合で生産される。最も優れた階層はアルファ(α)、最も劣った階層はイプシロン(ε)である。α/β/γ/δ/εにはあらかじめつける職業が決まっている。世界の維持には様々な職業が必要である。だから、ユートピアでは、
「人為的に、『劣った』人間が、下働きとして生産されている」
のだ。
αたちは労働をせず、学校にも行かない。学習は、睡眠学習機により自動的に行われるからだ。彼らはフリーセックスと、ソーマと言われる麻薬(向精神薬)を楽しんでいる。
一見して理想的な退廃の世界。しかしこのユートピアは実は、壁に囲まれた区域で、外には「野蛮人」の世界が広がっていることを誰も知らない・・・。
主人公は、フリーセックスも麻薬も本能的に避けてしまう男性で、このユートピアに違和感を感じ、疎外されている。しかしある事件を起こし、それがきっかけで「野蛮人」の一人がこのユートピアに紛れ込んでしまうのだった。
彼、その野蛮人は欠乏から解き放たれて、幸福になるのか、それとも・・・?
ここまでが第一部。第二部で絶望的な結末が待っている。
現代はBRAVE NEW WORLD。「立派な」とか、「勇ましい」とかいう意味がある。
Open your eyes. Keep Questioning. Follow your Dreams. Enjoy your life.
帯によると、シリーズ累計1300万部も売れたらしい。
この本の内容は、上の4つのメッセージを繰り返しているだけである。シンプルだが、忙しい日常生活の中で埋もれてしまいがちだ。
なんといっても写真が素晴らしい。表紙の写真は、リゾートアイランドの犬が、水上コテージを遠くに見つめている様子である。なんと味わいのある写真だろうか。
この本はほとんどが写真であり、各ページは、1枚の写真が9割のスペースを占め、その下に、1文だけ日本語と英語で文章が書いてある。
感動的な写真のおかげで、上のメッセージが、心に素直にしみ込んでくる。日常生活で動物を見ることなどほぼ無いので、動物たちがこのように人間臭い表情を見せることに驚かされてしまう。彼らはユーモラスでありながらはっとさせる。とても新鮮な感覚で写真に接することができる。
64ページ目のねこちゃん可愛い。
日常の忙しさに流されて、色眼鏡に凝り固まっていないだろうか。生きていることの不思議さに気づけなくなっていないだろうか。目を見開き、色眼鏡をすべて捨て去れば、世界の見え方が変わる。其れは、必然的に、人生の意味を問い直す体験になる。
人生は矛盾に満ちている。仲良くしたいのに争う。賢いのに見た目がダサい。個性を主張しながら、意外にルールに従順にふるまう。大きなものに気を取られるが、小さなものがいくら美しくても気づけない。家族や恋人のために尽くすと決めておきながら、自分が犠牲になると疲れてしまう。
人生に慣れると、そうした矛盾にも慣れてしまう。そして、無関心な大人になり、日常の仕事に流される。そして、年老いたある日、送りたかった人生ではないと気付く。もう手遅れなのに。そのことに気付くと、ますます不満と不安だらけの人生を送るようになる。
後悔しないために、常に人生の意味を問い続けるべきだ。
自分のしたいことに正直になり、夢を追いかけよう。そうすれば、失敗しても、疲れても、心地よい。その姿勢が伝播していけば、あなたの周りから世界を変えていくことになる。
それが、人生を楽しむ秘訣である。
本書の主張はこのような主張であり、同様の書物が山ほど出ている。自己啓発書の完成形と言えるだろう。これがたったの130センテンスに収められているのである。
もちろん、人生の意味は何か、の答えなど書いていない。答えは人によって違うのだから、自分で考えるしかないのだ。それでも、この本の価値が損なわれるとは思わない。
人生の普遍的な問いに立ち戻り、しみじみとしてしまう本だ。
麻薬戦争における、麻薬捜査官とカルテルの血で血を洗う戦い。
メキシコとアメリカの国境では、何十年も「戦争」が起きている。アメリカの麻薬警察と、メキシコのカルテルが、果てしないいたちごっこを続けているからだ。
主人公アートは麻薬警察の一員として無頼に任務をこなしていたが、ある時自分の上司が実はカルテルの大ボスであることに気付いてしまう。カルテルの大ボスが、身分を隠して警官となり、裏から操作を巧妙に捻じ曲げ、私欲のために役立てていたのだ。
ボスの名前は「テイオ(叔父貴)」バレーラ。バレーラは天才的な戦略家だ。
我々の武器は麻薬ではない。広大な、アメリカとメキシコとのこの国境線だ。
何度取引の現場や麻薬生産所を浄化しても、国境のどこかに新しいルートが生まれ、無限にカルテルの富は増え続けていく。
とはいえ、200ページほどの戦いにより、ついにアートはバレーラを倒すことに成功する。この200ページの間に多くの重要人物が死ぬ。しかし、何かがおかしい。相変わらず、無限のいたちごっこは繰り返され、何も変わらない。アートが倒したのは「ケルベロス」計画のごく一部に過ぎないことを知る。
ケルベロスとは、アメリカと共産主義の戦いであり、市民が知ってはいけない領域にアートは踏み込んでいたのだ。
それと同時に、バレーラの甥二人組が頭角を現す。この二人は全く正反対の性格で、互いに補い合い、バレーラより厄介であった。
ニューヨークの貧民街ヘルズキッチンには、多くのアイルランド系移民がいた。彼らは虐げられていた。カランは生まれつき、残忍ではないが冷酷だった。何度も命を落としかけたが、躊躇なく殺人を犯すことで生き延びてきた。
気付くと、トップとして町を牛耳るようになっていた。カランは空虚さと家族への愛から引退した。
しかし、一度殺し屋になったものは負の連鎖から抜け出すことができなかった。家族を失い、カランは麻薬戦争のキーパーソンとして巻き込まれていく。
この二人を軸として物語は進んでいくが、富裕層出身で美男子の快楽殺人者マルチネス(バレーラ兄弟の部下)など、濃いキャラや見どころが多い。
逆に絶世の美女の娼婦というお色気キャラが出てくるのは、大衆エンターテイメント作家のドン・ウィンズロウらしい。
復讐が連鎖し、次々に主要キャラがカルテルの幹部は殺され、世代交代していく。それでもカルテルの力は衰えないどころか、全てを飲み込んでいく。麻薬とはここまで恐ろしい力だったのか。麻薬の秘める無限の可能性は、個人を破滅させるどころか、世界を一変させていく。
芸術で金を稼ぐべきと主張する本。
凄いインパクトのある表紙。これだけで、開いてしまう。
中身はそれっぽいことを言っていて、Amazonでも星5のレビューばかり。
でも待ってほしい。あなたたちは本当に村上隆の作品を見たことがあるのか?
絵なら「And then,and then and then and then and then」などでGooogle画像検索を、映画なら以下を見てほしい。
まずこういうどうしようもない彼の駄作を見てから、冷静に本書を読み返すべきだ。彼の狡賢さは、「へへっ、俺は作家としては二流だもんねー」と開き直ってしまうことから始まる。
村上隆がお手本にしているのはウォーホルだ。本書から引用すると
となっている。
見せ方が良くて金さえ稼げれば中身などどうでもよいという姿勢は、前述の作品にも表れている。だったら、別のことで稼げばいいじゃない。もっと世の中の役に立つことで。
総じて、ビジネスマンとして優れているとか、本として面白いってレビューが多いけど、それだったら、商材を「芸術」と主張してくれなくていいんだよなあ。
成功者とされてきたのは外交的人間である。内向的人間が成功する道を探る。
最高のリーダーは何もしないよりも、だいぶしっかりした感じの本。ロジックが通っていて主張が明確だし、科学的で、論文書籍の引用も明確。これを読めば前者を読む必要はない。
ロジックはこうである。外交的なリーダーシップの神話は幻想である。歴史を振り返ると、人類を発展させてきたのは内向的な人間だ。内向的な人間は外交的な人間になる訓練を強いられている。それは自己啓発セミナーだったり、ハーバード・ビジネス・スクールだったりする。身近な学校教育でさえそのように変化してきている。
しかし、それは全く間違っていて、内向的人間は内向的人間のまま成功することを目指すべきである。なぜなら、発達心理学者ジェローム・ケーガン教授の実験が証明したように、「外交性/内向性は生まれか育ちかでいえば生まれ(扁桃体の反応性)で決まる」からである。つまり先天的であり、後天的に変化させるのは難しいのだ。ケーガンの実験はナチズムの優生主義と非難されたが、結局は事実だった。ではどうすれば良いか?