呪文(124冊目)

いかにもありそうな物語で引き込まれるが、

「俺たちの戦いはこれからだ!」

みたいなところで終わってしまう。

 

俺たち読者は想像力のない凡人なんだから、最後まで書いてくれよ・・・

 

リアルで引き込まれるが、最後これからというところで終わるのは、「本当の旅」と同じだ。

いや、面白かったし、読んで良かったとは思うんだけどさ、無理なんだよ。この先のいろんな展開を想像して楽しむなんて高度なことは・・・

エンターテイメントとして、ただ一つの解釈を押し付けて欲しい。

そういう意味では、ドフトエフスキーとかの古典は、最後まで描き切るからいいんだよな。

そうするとまぁ、古典を読もう、ってなるよな。

【書評】学問のすすめ(福澤諭吉)【4冊目】

一万円札の絵柄である福澤諭吉の書いた学問のすすめは、国民の160人に一人が読んだというベストセラーであった。現在に換算すれば、70万部である。

冒頭は次のようである。

天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らずなどと言われている。しかし、世の中を見渡せば、それがデタラメであることはよくわかる。世の中は不平等なものだ。

ではなぜ世の中には富めるものと貧しきものがいるのか。その差は、学んだか、学ばなかったかにある。

仕事には、給料の高い仕事と、低い仕事がある。その差は、出来る人が少ない仕事ほど給料が高くなり、誰でも出来る仕事ほど給料が安くなるからだ。だから、給料が高い仕事につくためには、学問、それも仕事に役立つ実学を学んだほうがいい。

このように、学問のすすめは誰でもわかる文章で書かれている。福澤諭吉は、召使に何度も読み聞かせ、少しでも分からないと言われればすぐに書き直したと言われている。