ドリアン・グレイの肖像(オスカーワイルド)121冊目

概要

美少年ドリアン・グレイは歳を取らず、代わりに肖像画が歳をとって行く。

ドリアン・グレイが罪を犯すたび、肖像画の表情は醜く悪辣に歪んでいき・・・

新訳 道は開ける(デール カーネギー)118冊目

概要

どうやって不安に対処するかの指南書。

実名を出した、数々の実在の人物のエピソードによって語る稀有な本。

800万の死にざま(ローレンス ブロック)114冊目

概要

アル中の探偵が主人公のハードボイルド小説だが、毎日新聞で他人が死に、NYに溢れる800万の死に様を夢想する、厭生観が味わい深い。

【書評】野村證券第2事業法人部(横尾宣政)【108冊目】

概要

オリンパス粉飾決算事件ですべての罪を押し付けられた人が冤罪を主張する本

めちゃくちゃ面白い。

野村証券もオリンパスも群栄も怖すぎだ。社会で働くこと自体が恐ろしくなってしまう。

冤罪をいくら主張し、検察や証人の主張の矛盾をいくら喚きたてたところで、起訴有罪率99.9%の日本では役に立つはずもない。檻の中で、著者はこう思う。

野村証券も検察も同じなんだ。

客に損をさせる商品を売らなければいけない野村證券の営業マン。

冤罪かもしれない容疑者に自白させなければいけない検察官。

どちらもブラック企業なんだ。

著者はどちらかといえば「嫌な奴」で、人の上に立つ器で無かったから野村證券にもオリンパスにも裏切られたのだ、という見方もあるようだし、当然あっていいだろう。

だが、だからといってこんなに面白い本を全否定して得られるべきものを得ないのはもったいない。この本が途中で嫌になったら、最終章11章だけでも読んでみてほしい。特に上記のシーンは必見だ。

【書評】ヘッダ・ガーブレル(イプセン)【103冊目】

概要

凡人の美女が破滅する話。

凡人の嫉妬は醜い。美しい容姿と嫉妬の醜さをかねそろえたヘッダは破滅する。

究極の悪は「無能」であるという。ヘッダは無能の極致だ。

周囲に破滅をまき散らす、無能な美女。その強烈すぎるキャラクターは公開当初拒否反応を巻き起こし、名作であるにもかかわらず、批判と拒絶の嵐にさらされた。

しかし、古くならない内容である。現代社会でさえ、こういう醜い人間であふれている。