【書評】不良日記(百瀬博教)【61冊目】

概要

やくざの組長の書いたエッセイ。

ザクッとした文章が、あったことを淡々とつづっていく。

普通の人間なら想像もできなかったような事件が相次いで展開される。異常に広い人脈が織りなす縦横の糸が、刹那的にきらめいては消えていく。その人生に憧れる。

用心棒。角力。神輿。半纏。獄。拳銃。獅子舞。雷門。金。ビル・・・。

【書評】芸術起業論(村上隆)【60冊目】

概要

芸術で金を稼ぐべきと主張する本。

凄いインパクトのある表紙。これだけで、開いてしまう。

中身はそれっぽいことを言っていて、Amazonでも星5のレビューばかり。

でも待ってほしい。あなたたちは本当に村上隆の作品を見たことがあるのか?

絵なら「And then,and then and then and then and then」などでGooogle画像検索を、映画なら以下を見てほしい。

まずこういうどうしようもない彼の駄作を見てから、冷静に本書を読み返すべきだ。彼の狡賢さは、「へへっ、俺は作家としては二流だもんねー」と開き直ってしまうことから始まる。

村上隆がお手本にしているのはウォーホルだ。本書から引用すると

  • 芸術には戦略が必要
  • 芸術の評価は金持ちの評価で決まる
  • 芸術の評価を上げるためには発言・ブランディングを行う
  • 芸術の評価を上げるために業界構造を分析する
  • 世界にプレゼンテーションをする方法

となっている。

見せ方が良くて金さえ稼げれば中身などどうでもよいという姿勢は、前述の作品にも表れている。だったら、別のことで稼げばいいじゃない。もっと世の中の役に立つことで。

総じて、ビジネスマンとして優れているとか、本として面白いってレビューが多いけど、それだったら、商材を「芸術」と主張してくれなくていいんだよなあ。