【書評】知覚の扉(オルダス・ハクスリー)【84冊目】

概要

メスカリン(LSD)をやってみたときの記録。

メスカリンの危険性がまだ知られていなかった1960年。当時は薬局で売っていたというメスカリンを摂取した際の、「トリップ」と「バッドトリップ」の詳細な記録がつづられている。

とはいえわずか90ページしかなく、ハクスリーの小説作品を読んでいる人間には物足りないだろう。

というか、「事実は小説より奇なり」の逆で、ハクスリーの小説のほうがよほど常軌を逸したストーリーとなっている。

LSDはただの幻覚剤であると知ってしまい、ある意味夢を失った現代人から見ると、悲しいかな、トリップの描写も、「へぇー」という感じで極めて淡々と読めてしまう。

【書評】不良日記(百瀬博教)【61冊目】

概要

やくざの組長の書いたエッセイ。

ザクッとした文章が、あったことを淡々とつづっていく。

普通の人間なら想像もできなかったような事件が相次いで展開される。異常に広い人脈が織りなす縦横の糸が、刹那的にきらめいては消えていく。その人生に憧れる。

用心棒。角力。神輿。半纏。獄。拳銃。獅子舞。雷門。金。ビル・・・。