【書評】真の独立への道(マハトマ・ガンジー)【81冊目】

概要

ガンジーが非暴力による独立運動を説く。

ガンジーは非暴力不服従主義を貫いてインドをイギリスから独立させた中心人物で、「インド独立の父」と呼ばれる。

この本は、船上でのガンジーの自問自答を記したもので、クジャラーティー語で書かれたものだ。

ガンジーは日本でも有名だが、その思想の具体的な内容についてはあまり日本人には知られていないのではないだろうか?例えば「塩の行進」では彼についていった6000人もの人が投獄された。彼の思想はどのようなもので、なぜそんなにも多くの人を動かしたのだろうか?

ガンジーの思想は次のようになる。

  1. 我々は支配国のイギリスではなく、イギリスが罹っている病気である西欧文明と闘うべきだ。
  2. 文明は欲望を煽る病気で、古代インドから続く生活と宗教より劣った生活形態である。
    • 機械/蓄財/鉄道/弁護士/医者により庶民は争いへと煽られ、メリット以上のデメリットが生まれている。蓄財のために奴隷労働の日々を送り、鉄道により疫病や飢饉や悪人が往来し、弁護士が報酬のために原告と被告の争いに火を注ぎ、医者がその場しのぎの薬を処方することで人々の自然治癒力を奪っている(20世紀の抗うつ薬のようだ)。
    • 武器/大砲は、人を殺すため王が必要とするもので、庶民には不要。
  3. 我々の最強の剣は「サッティヤーグラハ」、魂の力である。これは、慈悲の力を使って理不尽に耐え、周囲の人と平和に生きることであり、「真の文明」を実現する。
    • 剣/大砲を使えば、周囲の人を戦火の応酬に巻き込んでしまう。「剣を使うものは剣によって死ぬ」からだ。
  4. 我々の戦いのゴールは、イギリスが軍隊をインドから引き上げ、塩税のような理不尽な法を撤廃し、奪った富を返還することだ。

なんて分かりやすく、説得力に満ちた思想なのだろうか。

150ページしかない。

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