概要
板倉家に仕えた山田方谷という改革家の改革の様子を、想像を交えながら紹介する。
いっぷう変わった本のオススメ(3冊達成!)
企業でのIT活用がうまくいかない理由は、制約条件の理論で説明できる。
めちゃくちゃ面白い。
まさか、DevOpsというコテコテのIT運用語と、エリヤフ・ゴールドラットの制約条件理論(ボトルネック理論)が全く同じものだったとは思わなかった。知的興奮が頭を駆け巡る。
舞台はまたもや自動車工場である。主人公はIT運用VPに抜擢される。
IT現場の属人化の問題は、実は人がボトルネックであるということだ。リードエンジニアはいろんな重役に利用されていて、ビジー状態のボトルネックになっている。それによって、一人のリードエンジニアが複数のワークセンターをボトルネック化し、IT現場は止まる。
その一人がバスに牽かれると、部門全体が止まる。この現象を、「bus factor」と言われている。
この問題はITに特有である。
ITでは「手戻り」が発生することが問題だと言われる。上流工程、下流工程と呼びながら、もはや手戻りはあって当たり前のことになっている。これは、工場だったら許されないことだ。手戻りがないワークフローをシングルピースフローと言い、この本が目指す形態である。
ボトルネック理論では、バッチサイズを小さくすることで、ボトルネックの活用度を高める。
IT現場でそれを実現するためには、「1日10デプロイ」を自動化で実現することだ。
強いリーダーであることよりも、ヴィジョナリーリーダーになれ。
時代の変化は速くなっている。組織はその変化に素早く反応しなければならない。従来の強権的リーダーシップに指示待ちメンバーが従う構図は、反応が遅すぎる。
最高のリーダーは、自律的で素早い組織を作れる人のことである。
メンバーが自主的に動き、リーダーは後から殿(しんがり)のようについていく。リーダーは何もしていないように見えて、ビジョンを考え、ビジョンを伝えるコミュニケーションを実践している。
ビジョンを考え抜くには、あらゆる可能性を考える「考え抜く内向的人間」でなければならない。