【書評】人はなんで生きるか(トルストイ)【20冊目】

概要

トルストイの宗教的な短編小説集。5話からなる。1話は30ページ程度。

私はキリスト教徒ではないのだが、こんなに感動するとは思わなかった。

自らの宗教観を押し付けることはせず、人生の様々な分岐点が絵画的に描かれていて、自ずと考えさせる作りになっている。しかもどの話も丁度いい長さだ。

まさかトルストイがこんなに面白いとは思わなかった。

【書評】これが働きたい会社だ(渡邉正裕)【13冊目】

概要

ひたすら具体的に、有名大企業24社について、何歳時点の年収がいくらとか、傷心の仕組みとかが書かれている。全て、社員インタビューに基づいており、信憑性が高い。

ありそうでなかった本。こういう本は抽象的なものが多いが、ここまで分かりやすく実用的なものはなかなか出ないだろう。少々情報は古いが、いつの時代も同じようなことがやられているものだ。空虚な就活本を読むよりはこれを読んだほうがいい。興味があれば、買っておいたほうがいい。企業リストは以下の通りだ。

  1. トヨタ
  2. 日産
  3. NEC
  4. キヤノン
  5. シャープ
  6. 松下電器
  7. サントリー
  8. ソニー
  9. JTB
  10. 富士通
  11. 三井物産
  12. 三菱商事
  13. みずほ銀行
  14. 日本生命
  15. 野村総研
  16. 全日本空輸
  17. リクルート
  18. アクセンチュア
  19. NTTデータ
  20. NHK
  21. IBM
  22. NTTドコモ
  23. 朝日新聞
  24. 東京海上火災保険

【書評】ビッグ・ツリー(佐々木常夫)【9冊目】

概要

自閉症の子と鬱病の妻を守りながら、主人公が東洋レーヨン子会社社長に上り詰めるまでの軌跡。

あらすじを読んだだけでは想像できない生々しさがある。

著者が完璧人間過ぎて、自然と頭を垂れてしまう。もちろん著者が人間である以上、その善意が裏目に出ることもある。その度に心折れず立ち上がる著者の姿は勇ましく神々しい。

この本を読んだ人は、自分が不幸だと愚痴をこぼす前に、この本を思い出すだろう。一家の家長が背負うべき重荷を教えてくれる。