【書評】モナドの領域(筒井康隆)【100冊目】

概要

神の上位の存在”GOD”が宇宙の真理を語る

記念すべき100冊目は、この「モナドの領域」にしようと思う。

筒井康隆は昔から好きで、他の作品だと「敵」「家」「乗越駅の刑罰」が好きだ。

しかしこの「モナドの領域」はぶっ飛んでいる。

初版発行は2015年の12月だから、80歳の時に書かれたようだ。

GODが人間に向けて問答・公開討論をやる話、それだけと言えばそれだけなのだが、本当に神と話しているような気分になってしまうところが見事だ。宇宙の形について「あらゆる場所が中心で外周が存在しない円」だと語る。

なるほど・・・

そういわれると、「位相空間の開集合で距離が入っていないものかなぁ」と思わされて、人間が数学により神に近づいているのかという疑問が思いつく。するとすぐさま、「人間はエッセをまとい神のコピーの知性によりエッセを理解するのみだが、私はエッセンティアでありエッセを必要としない」と言われる。

なるほど・・・

神との対話を描いた本にはほかに「神狩り」が想起されるが、勝るとも劣らないできなのではないかと思う。

神狩り

なんにせよ、読む価値はある小説である!

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