【書評】悪について(エーリッヒ・フロム)【94冊目】

概要

悪を哲学的に解明する。

フロムは「自由からの逃走」の著者。加藤諦三氏の本の参考文献となっていたので読んだ。

悪は次の3つから生じるという。

  1. ネクロフィリア
  2. ナルシシズム
  3. 近親相姦的固着(甘え)

ナルシシズムについては納得できるが、ネクロフィリアについては納得できない。

ネクロフィリアは死に憧れる傾向で、誤解を恐れずに言えば「根暗」に近いような描写のされ方である。例えば、「明日学校爆発しないかなー」とか、「戦争/災害が起きてすべてリセットされないかなー」とか、そのような性向のことだ。

そんなにたくさんの人がネクロフィリアなのだろうか。

近親相姦というのは、エディプス・コンプレックス的な話だった。母に甘えたいとか、母体に戻りたいとかいう、全ての人の根底にある甘えのことだ。

だから、この3つによる初期の症状は退行であり、末期の症状が悪だということになる。

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