概要
悪を哲学的に解明する。
フロムは「自由からの逃走」の著者。加藤諦三氏の本の参考文献となっていたので読んだ。
悪は次の3つから生じるという。
- ネクロフィリア
- ナルシシズム
- 近親相姦的固着(甘え)
ナルシシズムについては納得できるが、ネクロフィリアについては納得できない。
ネクロフィリアは死に憧れる傾向で、誤解を恐れずに言えば「根暗」に近いような描写のされ方である。例えば、「明日学校爆発しないかなー」とか、「戦争/災害が起きてすべてリセットされないかなー」とか、そのような性向のことだ。
そんなにたくさんの人がネクロフィリアなのだろうか。
近親相姦というのは、エディプス・コンプレックス的な話だった。母に甘えたいとか、母体に戻りたいとかいう、全ての人の根底にある甘えのことだ。
だから、この3つによる初期の症状は退行であり、末期の症状が悪だということになる。