概要
牧師の息子ニーチェが、キリスト教を罵倒し、ルサンチマンを遂げる。
パウロは焦って、
「もしキリストが本当に蘇ったのでなければ、我々の信仰は全て虚しい」
と言いました。本当にお下劣な野郎です!(p99)
タイトルは釣りっぽいが、非常に論理的に冷静にキリスト教を批判しているのである。
この本がすごいのは、
- キリスト教成立の歴史を緻密に解剖し、見つかったアラを理詰めで個別撃破していく点
- 他者への嫉妬という大多数の人が持つ心の弱さが、どのように「信仰」を支えていくかのメカニズムを詳細に描いた点
です。もちろん大多数の日本人はキリスト教を外側から眺めている。しかし、一度キリスト教を信じた人間の心には刺さるでしょう。むしろ、刺さりすぎて、ズタボロにされて、反ニーチェ派になってしまうかもしれない。
読むべき。