【書評】仕事は楽しいかね?(デイル・ドーテン)【7冊目】

概要

飛行機が大雪で止まった夜の空港で、男は赤ら顔の老人と出会う。老人は男に問う。

「仕事は楽しいかね?」

この本の最も本質的なメッセージは、

「実験に失敗はない」

だろう。

一つのことを極めるという考え方、また人生には「目的」がなければならないという考え方には穴がある。なぜなら、人生は「失敗」の連続だからである。

一度失敗した人間は、もう一つのことを極めることも、当初の人生の目的も果たすことはできない。だから無気力な大人になる。世間は夢を持つことを推奨するが、プロ野球選手になれなかった球児には冷たいのだ。

著者は、「2つ目のキャリアで成功した人たち」は驚くほど多いという。

  • エリツィン大統領は工事の現場監督を続けていた だろうし、
  • あるメジャーリーガーはサッカー選手を続けていた だろう

と言う。そして、これらの人々は「ゴールポイゾニング」に侵されず、生涯実験をやめなかったから成功できたのだと言うのだ。

人生とは「一つのつまらないこと」がずっと続いていくことだ。その一つが仕事であると思っている人は多いが、本当はつまらないのは、「飛び跳ねないこと(実験の欠如したクリエイティブさに欠ける働き方)」なのだと著者は言う。

閉塞的な状況を打破する糸口を探す勇気を与えてくれる本だ。

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