概要
カレーの歴史の全てが書かれている本。
いっぷう変わった本のオススメ(29冊達成!)
専門馬鹿の見聞の浅い歴史家が、歴史を超えた宇宙の壮大な話に言及して浅学がばれてしまい、😣ってなる感じの本。
読む価値なし
軍事力で圧倒的に優位にあるアメリカがイラクやアフガンで勝てない理由が分かった。
1章では、爆弾の攻撃がアメリカの武装で防げないことを解説する。頭蓋骨や脳への影響により、PTSD/TBIを発症させる。これによりアメリカでは、兵士が年に5000人に1人自殺している。
3章では、2007年に生じた武力革命によって生じたアメリカの圧倒的優位が、逆に勝てない仕組みを生み出したことを解説している。タリバンの幹部はこう語る。
They have watches, we have time.
勝てないならば、テロリズムの手法を使って着実にダメージを与えながら逃げ回り、永久に戦闘を引き延ばせば、アメリカの経済は疲弊し、人も疲弊し、反戦世論がアメリカ国内で盛り上がり、勝手に敗退してくれるという理屈だ。
テロリズムは最小の費用で実行でき、彼らは失うものを持っていない。だから、長期戦に向いているという。
さらにタリバンでは「人件費」が安く、兵士を用意するのに武器込で月額16000円/人しかかからない。米軍は「人件費」だけで200000円/人であり、さらに技術革命後の兵器はとてつもなく高価で、装甲車は1台4800万円である。装甲車がないと、爆弾を防ぐことができないので必需品なのだ。さらに、戦場内にゲームセンターや31アイスクリームまで出店しているというありさまである。
さらに、アメリカの装備は圧倒的過ぎて、現地で仲間を作ることができない。どういうことかというと、米軍は装甲車で安全に移動するが、現地の協力軍はジープに5人乗り。爆弾がさく裂したときに死ぬのは、現地人の軍隊だけなのだ。
このように台風の目の役割を果たす爆弾は1000円/発であるという。
完全に算数が成り立っていないのだ。4章では無人ロボットが延々と投入され、また湯水のように金が使われる。そして現地人は、「アメリカが、ゲーム感覚で俺たちを殺すテロ事件を起こしている」と憎悪を募らせる。
2012年時点でイラク・アフガン戦争はアメリカ最長の戦争となり、かかった金額は300兆円、アメリカ側の死者は25万人となった。
オバマ大統領は2009年にノーベル平和賞を受賞した。
一方タリバンは、2012年、アフガニスタンの8割を手中に収めた。
毛沢東の死を看取り、死体の永久保存を施した主治医が22年間にわたる毛沢東との人生を暴露する。
著者は本書発売の3カ月後、遺体となって発見された。
ニセモノと思うにはリアル過ぎる。
毛沢東は確かに超人的な悪人だが、横暴で好色で不眠におびえる一人間でもあったということがよくわかる。江青や華国峰の人柄も興味深い。
また、本書は教養高い中国人が書いているために、情報の質が極めて良い。例えば、
「自分こそ法であり、神である」
という意味だった。外人記者は完全にこれを文字通りに受け止め、毛沢東の孤独感として報道してしまったのだった。
このように、毛沢東を理解するうえで、中国語や中国古典を知らないとわからないことが多いのである。
面白い。
中国・北朝鮮・ベトナム・ラオス・カンボジア。ソ連は崩壊しても、これらの共産主義国家は生き残っている。
共産主義が犯した虐殺についての話。虐殺の話が多すぎて、まるで虐殺しかしていないのではないかと目がくらむ思いがする。
中国でも北朝鮮でもベトナムでもラオスでもカンボジアでも共産主義政府が十万人単位で人を殺していく。資本主義と共産主義のどちらが良いのかは理論的には結論は出ないだろうが、数十万人が死んでいくのは共産主義だけだ。
王政も含めれば、もっと死に満ち溢れた政治形態があるのかもしれないが、とりあえず共産党と共闘したシールズの人はこの事実を勉強したほうがいいと思った。
中国からアメリカへの密入国を手引きする殺し屋”ゴースト”と、車椅子の犯罪捜査アドバイザーライムとの闘い
映画で有名なボーン・コレクターの3作目とのこと。そうとは知らず読んでしまった。もったいなかった。のっけから、説明なしに大量の前作からと思われる登場人物が出てきて混乱してしまった。
面白い。スリルもあるけど、こういうのは正義は勝つからなー・・・と思っていると、予想範囲内で終わってしまう。どんでん返しが2度用意されているが、どちらも想定の範囲内というか・・・。
同じアメリカの小説でも、想像の斜め上を行き続ける犬の力には及ばない。
敵役の”ゴースト”は残虐非道だが、非常に魅力的に仕上がっている。タイプは違うが、ハンニバル・レクターに匹敵する魅力。悪役好きの人にはたまらないかもしれない。
旅はよい
TABILABOの創業者の本ということで買ったが、悲しいほど内容が薄っぺらい。なんかジョブズを神格化していて、神であるジョブズがインドに行けと言っているから世界を旅しよう、みたいな感じ。「ジョブズがパソコンを発明した」「ジョブズがトイストーリーを作った」というような、悲しいほど初歩的な事実誤認まである。
基本的には、各章、名が売れてる友達の書いたものを引用して終わり。
中でも2章3節(“常識をずらす”)なんてすごい。有名な2ちゃんねる発祥のコピペが貼ってあって、「この話には考えさせられる。」と書いてあって終わり。10年前から知っとるわ!これが旅の33の確かな価値のうちの1つ、なんだってさ・・・。こういうことをする著者だ。ぜひ、買う前にこの本のクオリティを見立てる試金石として、立ち読みしていただきたい。
ゴミを33個集めても、ゴミが出来上がるにすぎない。しょせんTABILABOは、意識高い系の海外志向に過ぎないのだと思う。
メキシコの田舎町。海岸に小さなボートが停泊していた。
メキシコ人の漁師が小さな網に魚をとってきた。
その魚はなんとも生きがいい。それを見たアメリカ人旅行者は、「すばらしい魚だね。どれくらいの時間、漁をしていたの」 と尋ねた。
すると漁師は
「そんなに長い時間じゃないよ」
と答えた。旅行者が「もっと漁をしていたら、もっと魚が獲れたんだろうね。おしいなあ」
と言うと、
漁師は、自分と自分の家族が食べるにはこれで十分だと言った。「それじゃあ、あまった時間でいったい何をするの」
と旅行者が聞くと、漁師は、「日が高くなるまでゆっくり寝て、それから漁に出る。戻ってきたら子どもと遊んで、女房とシエスタして。 夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって…ああ、これでもう一日終わりだね」
すると旅行者はまじめな顔で漁師に向かってこう言った。
「ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した人間として、
きみにアドバイスしよう。
いいかい、きみは毎日、もっと長い時間、漁をするべきだ。
それであまった魚は売る。
お金が貯まったら大きな漁船を買う。そうすると漁獲高は上がり、儲けも増える。
その儲けで漁船を2隻、3隻と増やしていくんだ。
やがて大漁船団ができるまでね。
そうしたら仲介人に魚を売るのはやめだ。
自前の水産品加工工場を建てて、そこに魚を入れる。
その頃にはきみはこのちっぽけな村を出てメキソコシティに引っ越し、
ロサンゼルス、ニューヨークへと進出していくだろう。
きみはマンハッタンのオフィスビルから企業の指揮をとるんだ」漁師は尋ねた。
「そうなるまでにどれくらいかかるのかね」
「二〇年、いやおそらく二五年でそこまでいくね」
「それからどうなるの」
「それから? そのときは本当にすごいことになるよ」
と旅行者はにんまりと笑い、「今度は株を売却して、きみは億万長者になるのさ」
「それで?」
「そうしたら引退して、海岸近くの小さな村に住んで、
日が高くなるまでゆっくり寝て、 日中は釣りをしたり、
子どもと遊んだり、奥さんとシエスタして過ごして、
夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、
歌をうたって過ごすんだ。 どうだい。すばらしいだろう」
コンサルティング業界でパートナーまで上り詰めた者の後悔・懺悔録。
「深海、南極大陸、ピラミッド、月!」
MBAを持っていないのかとプレッシャーをかけられ、激昂して著者が叫んだ言葉。
「嘘をつく、盗む、騙す」
特に有望な若い候補者を試すために、著者が採用面接で投げかけた質問の言葉。
私が知り合ったコンサルタントは、パブリックなデータソースを利用し、「正攻法」で仕事をする人たちだったと思われるし、それほどの悪人もいなかったと思う。しかし残念ながら、著者のほうがそういった人たちの万倍も仕事ができるし、遥かに魅力的であるように思われる。
嘘をつく、盗む、騙す。海底開発と日本に興味を持ち、日本鋼管で貧乏生活を送っていた著者に、転機が訪れる。コンサルタント1年目で、著者は立派な産業スパイとなる。そして、半年ごとに、信じられないような成果を信じられないような方法で上げていく。痛快である。
賢く、何にも洗脳されずに自分の頭ですべてを考え、多言語を操り、魅力的で、異性にモテ、「真に人生を楽しむ方法」、ナイトライフの過ごし方を知っており、しこたま飲んでも翌日にはそれをおくびにも出さない。出会う人間を全て仲間にし、吸血鬼のように全てを奪い取る。
しかし、段々、何かが壊れていく。7年目に達するころ(260ページ)には、完全に壊れてしまう。
フランス料理のメニューを読めるようになるにはどのようにトレーニングすればいいか。
フランス料理でコースを頼むとつまらない。寿司屋でおまかせを頼むようなものだ。そのとき食べたいものを、アラカルトで一品ずつ頼みたい。そうでなくては、牛肉やスズキや鯛ばかり食べさせられてしまう。
著者は会社員でありながら、フランスで一流レストランを食べ歩くことを夢見、独学でフランス語のメニューの読み方をマスターした。いい意味の変人だ。その方法論を、惜しげもなく公開してくれる。
しかも、この本を持ち歩けば、フランスを闊歩して好きに料理を頼めるようにと考えてくれている。
といった膨大な付録が巻末についているのだ。
本文については、著者が食べた思い出に残る料理とともに、実際のメニューの解読方法がつづられている。あまりに食べた料理が膨大で、感心することしきりである。
このような書物を著す人がいるという事実に、頭が下がる思い。